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のびのび育った放牧豚のおいしさを最大限に ファーマーズファクトリーが届ける無垢なおいしさ

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のびのび育った放牧豚のおいしさを最大限に ファーマーズファクトリーが届ける無垢なおいしさ

恵庭市事業者の想い

文:高橋さやか 写真:高橋洋平

緑あふれる厚真町の農場でのびのびと育った放牧豚を原料に、自然素材だけでつくられるファーマーズファクトリーのハム・ソーセージ。「優しい味でいくらでも食べられる」とお客様に評される製品は、有機・無添加食品の通信販売を行う大手企業でも取り扱われるほど、高品質です。「豚とともに歩んできた」と語るファーマーズファクトリーの伊藤社長と営業部の上村さんにお話をうかがいました。

放牧豚の加工に適した立地だった恵庭

ファーマーズファクトリーの工場があるのは、大小さまざまな工場が立ち並ぶ恵庭市北柏木町。原料となる豚肉のカットから加工までをおこなう工場の立地として、恵庭がベストポジションだといいます。

ーー放牧豚を使った製品をつくるのに、なぜ恵庭が適していたのでしょう?


伊藤:無添加のソーセージをつくるにあたって、重要なのが新鮮な原料肉をスピーディーに加工することなんです。屠畜されたものをできるだけ短時間で工場に運んで、限られた時間内に加工しなきゃいけない。
屠畜場から近いという生産の面の部分の理由と、出荷にあたっても札幌や新千歳空港へのアクセスが良いので、恵庭はベストポジションですね。

豚は人生の伴侶

この道45年という伊藤社長。特殊な技能が必要とされる製造加工にたずさわりながら、山あり谷ありの道を地道にすすんできました。

ーー伊藤社長はファーマーズファクトリーが設立されるまで、どのような人生を歩んできたのでしょう?


伊藤:15歳の頃にニチロ畜産に就職して、定時制高校にいきながら働いてきました。家から近くて自転車で通えるっていう単純な理由だったんだけど。(笑)

そこで、豚肉・牛肉を枝肉から加工する仕事を覚えてね。これは、今も昔も特殊な技能が必要とされる職人の仕事。15からこの世界に入って、いま60だから、45年間、豚と共にやってきたという感じ。人生の伴侶ですね。

その後、20代で別の会社にうつって、30歳を超えた頃に以前働いていた会社の社長から「一緒にやらないか」と声をかけられて、お世話になることになったんです。1991年ですね。最初は浦河に工場があって、25年前に恵庭に移転してきました。

2011年に製造会社として独立しないか、との話を受けて会社を設立しました。

ーー白羽の矢が立った時のお気持ちは?

伊藤:えーっという感じですよね。

加工とか解体、製造に関わる部分は長年職人としてやってきて、工場長も経験していた。全体を把握していたので、引き続きという感じでしたが。

経営となると、また違うのでね。社員を養っていけるように、ひたすらやっていくしかないよね。一番の取引先がもうダメだなっていう時には、どうするかなと思ったけど、支援してくれる人がいたおかげで、今にいたります。周りの人に恵まれていたことは、ありがたいですね。

初期開発に苦労した放牧豚を使った無添加のハム・ソーセージ

ファーマーズファクトリーの売りは放牧豚を使った製品。Non-GMO(非遺伝子組換え)穀物や大豆かすなどをえさとして使用するなど、細部にわたって安心と美味しさが追求されています。こだわりの製品はどのようにうまれたのでしょうか。

ーー放牧豚の製品を作ることになったのは何かきっかけがあったのでしょうか?

伊藤:以前働いていた会社の頃に、自然食販売業のお客様から、放牧飼育の豚の生産を依頼されたことから取り組みがスタートしました。

飼育方法に関しても、安全基準の高さがもとめられる中、厚真町の希望農場さんが北海道放牧豚を委託生産してくださることになり、山を切り開いて牧場をつくったんです。もう15年以上のお付き合いになりますね。

一般に流通するハムソーセージは、結着剤・発色剤・化学調味料が当たり前。もっと安心・安全でおいしい製品を提供したいという思いから、無添加にこだわった商品開発に取り組みました。

消費者の好む味をさぐるのは大変でしたね。当初は、食感や味への厳しい声もいただいて。なかなか売れなくて希望農場さんに頭数を減らしてもらったこともあったんです。

職人たちが試行錯誤を繰り返した結果、「豚肉のおいしさが素直に感じられる」という言葉をお客様からいただけるものができました。

安心でおいしい製品の追求から、放牧豚にいきついたのですね。
ーー放牧豚と聞くと、ストレスなくのびのび育つことでおいしくなるのかな?と思いますが、実際に味にどんな違いが生まれるのでしょう?

上村:赤身の味が濃いといわれていますね。以前、メーカーさんで肉質検査をしていただいた際に、うま味成分が黒豚よりも高いという結果がでました。

脂にあま味があって、とける温度が低いのでフライパンに油をひかなくても、豚肉自身の脂で焼けるんです。実は、以前はバラ肉とか苦手だったんですけど、放牧豚に出会ってからは食べられるようになりましたね。

伊藤:ストレスがなくのびのびとした環境で育つと、肉質にもあらわれるんでしょうね。狭い豚舎に閉じ込められるんじゃなく、広い農場で豚が好きなように遊ぶ。脂身にクセやいやな脂っぽさがなく、あっさりした味があるんですよね。

上村:飼育方法にこだわりがある、グレードの高い豚肉を使っているので、化学調味料は使わず自然な原材料でシンプルに味付けをするのがこだわりです。味付けに使用する副原料も選び抜いたものばかり。

よく驚かれるんですが、ウインナーに高級和菓子などで使用される和三盆を使っているんですよ。一般的な砂糖と比べて、角がなくまろやかで優しい甘みを出すことができるんです。

当時の開発者が「徳島県の和三盆をどうしても使いたい」というこだわりがあって、徳島県の生産者さんに直接出向いて、お取引をお願いしたという経緯があります。

味の決め手となる塩は、伊豆諸島近海の海水100%を原料に、平釜でじっくりと煮詰め結晶化した伝統海塩を使っています。ミネラルが含まれていて、素材の甘味や旨味を引き出してくれるという特徴があって、原料の豚肉の味わいを生かした製品作りに結びついています。

苦境ものりこえて、北海道放牧豚のおいしさを届け続けたい

地道な開発からうまれた愛される商品。そのかたわらで、会社が思わぬ苦境に立たされることがあります。

ーー社長になってからこれまで、心が折れそうになったことってありますか?


伊藤:うーん。厳しかった頃は、人がたくさん辞めてしまって、枝肉の解体を1人だけでやっていたという時期は大変でしたね。6年前かな。当時、解体できる人が社員1人しかいなかったのでね。あの時はしんどかったなぁ。

それと、2018年の地震の時ですかね。放牧豚を飼育している希望農場さんが、被害の大きかった厚真町にあるので。

豚舎が壊れて、豚も100頭以上死んでしまって。農場の損害が莫大で経営も大変になったんですが、取引先の企業様から義援金や販促で支援していただいたんです。

弊社とは切っても切れない関係なので、みんなで支援しようという動きに、私も心が熱くなりました。

厚真町にある希望農場でのびのび育つ放牧豚 写真提供:ファーマーズファクトリー
厚真町にある希望農場でのびのび育つ放牧豚 写真提供:ファーマーズファクトリー

さまざまなピンチを乗り越えてきた伊藤社長に今後の展望についてうかがいました。

伊藤:北海道放牧豚のおいしさを今以上にたくさんの人に届けたいですね。
原料や製法にこだわりが深いので、その分高価にはなってしまう。消費者にとっては、ちょっと手が出しにくいかもしれないですが、一度味わってみてほしいですね。

我々も、売れるような努力をしてかなきゃいけない。そして、「おいしい無添加」の味は、まだまだ追求していきたいですね。

上村:数年前まではいろんな商品をつくってきたんですけど、3年前に現在のラインナップに落ち着きました。本当においしいものに絞られましたね。

ただ、現場としては、いろんなものを開発していきたいという動きは常にあります。ウインナーって決まった味のものが多いので。これまでにない、あたらしいもの、おいしいものが作れないか、開発では試行錯誤を繰り返しています。

伊藤:恵庭市のふるさと納税返礼品としても、これまで多くの方にご利用いただいてますが、これからも長く愛されるものづくりを続けていきます。

過去の困難な状況もあかるい口調でお話ししてくださった伊藤社長。取材後に初めていただいた放牧豚は、かめばかむほど味わい深く、豚肉本来の味が感じられました。そして、驚いたのは原材料表記。豚肉・豚脂肪・砂糖(和三盆糖)・食塩・香辛料だけでこんなにしっかりした味になるんだ!と。
職人がひとつひとつ丁寧につくりあげるファーマーズファクトリーの製品を、みなさんもぜひ味わってみてくださいね。

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